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2-6.人の命を守る

2章では安全の大事さ、いわゆる「安全第一」についてお伝えしてきました。
ただ、安全は作業性を考えずに実施しているだけではよくないとも御伝えしました。

作業がしづらいということはどれだけ安全対策を講じていても、マイナス要因になり得るのです。
安全に対しては上を言えばキリがないものですから
他のやるべきこととの調整・バランスが非常に重要になってきます。
当然、工程や品質を重視しすぎると安全が疎かになり、安全を重視しすぎると作業が止まったりするわけです。

災害とは?

ここで災害ということについて考えてみましょう。
災害とは統計で言いますとまず『死亡災害』と『死傷災害』に分かれます。
これは字の通り、死亡災害は死亡者数、死傷者数は死亡者と傷病者がカウントされます。

他にも休業4日以上か未満かというのも統計としてよく用いられます。
休業日数は怪我をした日から休業を要する期間を
カウントした日数(詳細の数え方は別途検索してください。すぐでます)になります。
要は大きな災害かそうではないか?がわかります。

休業4日以上というと比較的大きな災害を指し、休業4日未満というと比較的小さい災害を指します。

減らすべき災害は?

ここで『災害を減らす』ということを目標にするのは
非常に大事ですが全ての災害を減らすことを目標とすると、
休業4日未満の小さな災害についても減らす必要が出てきます。

当然、小さな怪我でも本人は痛い思いをしますし
日常生活に支障をきたしますので避けるべき災害ではあります。

しかしこれらの小さな怪我は
『大きなけがに繋がる可能性のあったもの』か
『ちょっとした注意散漫やミス等によるもの』では
対策のしようが大きく異なります。

後者の場合は、本人の注意力により防げるもの、前者は根本的な対策が必要になります。

つまり、大事なのは、
『4日以上の災害発生要因』と
『4日未満だが大きなけがに繋がる可能性のあった災害』
についての対策を行うべきであります。

なぜ建設業は災害が多いのか?

建設現場はなぜ災害が多いのでしょうか?
最も困難な要因として全く同じ災害が起こることがない。ということだと思います。

建設業の仕事は現地一品生産と言われ、工場のルーチンワークとは異なり、
その場所に応じた条件で現地特性に合わせ仕事を行います。

つまり、『こういう時はこうすれば良い』という
決まった対策を取りづらいということがわかります。

その中でどうにかして災害の分類・型に分け、
なるべく対策を取りやすいようにしているのが現状です。

大きな災害を減らす方法

そのような背景の中でどうやって災害を減らすのか?
と考えますとやはり大事になってくるのは作業効率と安全対策のバランスです。

しかしそこに大きな災害が発生しうるかどうか
の判断を加えジャッジすることが重要です。

例えば、
作業効率を重視しており・安全設備が少ない状態
でも大きな怪我の発生可能性が低い作業についてはこのままでいいでしょう。

しかし

作業効率を重視しており・安全設備が少ない状態
で大きな怪我の発生可能性が高い作業については
直ちに作業をやめ、対策をするべきです。

このように大きな災害が発生しうる環境であれば、
仮に作業効率が悪くなっても必ず対策を講じるべきです。
それが最も重要な判断基準です。

例えばどのような対策が必要なのか?

以下のような作業ではどのように対応しますか?

少し想像しながら確認してみてください。

【作業①:重機との相判作業】

横5m×縦5m×深さ2mの掘削を行い、床付け面に、砕石を敷き均します。

端の掘削が終わったので、人が下に降りて基面整正を始めました。

まだ重機は動いたままです。

【対策案①:重機と人の作業はやめる】

作業効率を重視して掘削中に関わらず下に降りられたと思いますが、
これは作業効率を重視しすぎています。

重機と人の接触リスクがある間は、立ち入ってはなりません。

確実に人が入らない措置を講じましょう。
そもそも人がいなければぶつかることはないのです

【作業②:クレーンでの資材揚重作業】

重さ1tのモノをクレーンで揚重してトラックに載せます。

その時、荷が落ちると危険なので、
クレーンの旋回範囲にいる人たち全員の作業を一旦とめ旋回範囲外に出てもらいました。

【対策②:吊り荷下の人払い】

作業効率を突き詰めれば作業しながら
クレーンで揚重物を目的地まで運ぶことがいいと思いますが、
そうではなく落ちるリスクを考慮し人払いをしました。

これぞまさに大きな災害が発生するリスクを無くすための措置・対策です。

人の命を守る

施工管理を行う上では
作業効率はコストや工程に直結する非常に大事なファクターです。

しかしそれらを優先しすぎると安全性が失われます。
それは当然のことですが
人の命を脅かすようなリスクつまり大きな災害が発生しうる状態については
絶対に対策を講じる。必要に応じて作業を止める。作業効率なんて関係ない。

これらの意識を持って対策を行う必要があります。
その判断にはやはり『想像力』が必要になってきます。

どのような問題が発生しうるのか。
自分の頭(脳)でのイメージが人を助ける最後の砦になるかもしれません。

施工管理は頭(脳)を使って現場に貢献する仕事です。
どうかあなたの頭で人の命を守ってあげてください。

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