最近、話題のChatGPTを
建設関係の業務においてどのように使用できるかを考えてみました。
ChatGPTとは?
OpenAIが2022年11月に公開したチャットボット。OpenAIのGPT-3ファミリーの言語モデルを基に構築されており、教師あり学習と強化学習の両方の手法で転移学習されている。 2022年11月30日にプロトタイプとして公開され、幅広い分野の質問に詳細な回答を生成できることから注目を集めた。wikipediaより
簡単に言いますと調べたいことを聞けば答えてくれるものです。
今まではググる(Google)とかヤホーで(yahoo)調べるなんて言ってましたが
様々なデータベースから複合的にAIが判断して適正と思われる答えを用意してくれます。
チャット形式なので
さらなる問いかけにも対応可能です。
建設用語を聞いてみる
コンクリートとは?なんて聞いてもほぼ間違いなく完璧な答えが返ってくるのは
わかっているので、少しマニアックで施工計画的な部分を聞いてみました。
『中間杭の切断ステップは?』
抽象的ですが、いろんな方法があると思われ、
これに対して即座に適応できるような答えが示されたら
もはや人間不要なのでは?という危機感を感じながら答えを待ちました。
手順というより方法を教えてくれました。
よくここまで考えたな。という感じですが、実現性の低いものも含まれます。
おそらく『中間杭』という名称から建設関係の問いかけであることを認識し、
中間杭というもの自体の切断方法を検討してくれています。
『切断』という文字からあらゆる切断方法を検討しているものと思いますが
ワイヤーソーを中間杭の切断に使用する人はほとんどいないでしょう。
それが1番にあがっているところから
建設 ⇒ 切断 ⇒ (コンクリート)ワイヤーソーとリンクされたのかと想像します。
つまりデータベース上から誤った(とも言い切れませんが)情報も含め
判断しているため人間がジャッジする際には考えられない内容まで含んでいることがあるのです。
しかし本当に素晴らしい回答でしたから賞賛しました。
若干、恐怖を感じていたので安堵とヒガミを含めて(笑)
技術士の問題っぽいことを問うてみる
土木建設関係の最難関試験とされている技術士の想定問題をChatGPTに問いかけてみることにしました。
というのもアメリカの某大学の卒業論文にChatGPTが用いられたというニュースを聞き
論文に強いのでは?と考えたからです。
なんと、質問の途中でEnterを押すというイジメのようなことをしてしまいました。
しかし返ってきた回答が。。。
きっと技術士の試験にPC持込ができるようになると、
(手書きってどうなの?っていう議論が前からありますが)
誰でも合格できるか、どんなことを書けば合格できるのか全くわからなくなる
いずれかだと思います。
答えとして若干どうかな?と思う部分はありますが
私の問いかけ自体がどうかな?と思うので答えの質としては
完璧だと思います。
ChatGPTって一気に回答がでるんじゃなくて
文字をタイピングして表わしてくれるんですが
一文字ずつ呼んでいるうちに腰が砕けて立てなくなるほど驚きました。
これだけ正確な回答をほんの数秒で導かれるのですから
同じことをしていて人間に勝ち目はありません。
人間はChatGPTにやられてしまうのか?
使い方によっては人間の力では全く歯が立たないことがわかりました。
素直にChatGPTに賞賛を送りました。
しかしChatGPTに対して賞賛・恐怖を感じると同時にある想いも生まれました。
『問題提起は人間ならではの力である』
どこが問題になるのか?要はここでいう『問いかけ』は人間発信であるということです。
答えを導く際のChatGPTは最強でしょう。
しかし現場を見て、何かを判断する時には
『どんな質問をするのか』『なにが危険・問題なのか』を考えるのは
人間ですから、まだまだ人間の力は必要なのです。
人間とChatGPTの共存
ChatGPTがこれほどの正確性を持った回答をしてくれるということを認識した場合
良い方向にChatGPTを使用することができれば
時短や複数案の答えを持つという意味で非常に有意義であると思います。
しかし私は大きな問題が潜んでいると思います。
1つ目は
建設業の中では起こり得ないかもしれませんが
超多数の『誤り・誤情報』をデータベースに仕込まれると
間違った情報を提供される可能性があるということです。
これから先ChatGPTの示す答えは盲目に合っていると考える人も
出てくるでしょう。それほど素晴らしいものです。
しかしそうなってくると思考回路を握られるとも言えます。
要は情報操作ができてしまう可能性があるのです。
命に関わる問題である場合、それはさらに大きな問題となるでしょう。
2つ目は
人間の思考力・記憶力が失われるということです。
建設業では過去の偉人が残した多くの経験や参考書が存在します。
しかし重い本を持たなくても、携帯一つでこのような回答を導いてくれれば
覚える必要がなくなりますから、常にAIに問いかけるだけでよくなります。
疑問 ⇒ 問いかけ ⇒ 忘れ ⇒ 疑問 ⇒ 問いかけ ⇒ また忘れ
と手軽である反面、人間力が失われないかが心配です。
判断をAIに任せるようになると、直感的な部分が鈍り、目の前で起きている
問題への対応力が失われます。
その繰り返しの中で、建設現場は安全になれるか?
否、きっと様々な問題が起こると思われます。
これからのChatGPT
ChatGPTはデータベースに情報が登録されることにより
我々に様々な情報を提供してくれます。
仮に、私が特別な技術を持つ能力者であったり技術者だとしましょう。
そのノウハウを文章などでデータとして残すとそれはChatGPTの
データとして取り込まれ直ちに展開されます。
そうなると技術の根源はなるべく明かしたくない気持ちになります。
特許がそういったものを解決してくれますが、
特許の申請は時間がかかることから、情報管理が今以上に重要に
なってくるかもしれません。
これは起こりうる問題のあくまで想像でしかありませんが
新たな技術には様々な問題が発生する要因を含んでいます。
もちろん、大きな発展にも寄与してくれると思います。
どう使うか、どう付き合っていくかはあなた次第。
AIに『あなたはアホね』と言われないように頑張らないといけませんね。
ChatGPTは優秀ですが
まだまだ人間の力も必要です。
MAINSFACTORYもどうぞよろしくお願いいたします。
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