本章では施工パッケージとは何なのか?を少し深くお話していきます。
施工パッケージとは
正式には『施工パッケージ型積算方式』と言い,国土交通省が平成24年10月から実施している『積算』方式になります。中味は機械・労務・材料にかかる費用をまとめ(パッケージ化)したもので,施工単価により『直接工事費』の積算を行うものです。
前章までに直接工事費や経費,共通仮設費についてお話していますので分からない方は一度読んでみてください
施工パッケージの特徴
全ての積算がパッケージ化されているわけではなく,国土交通省の土木工事標準積算基準に施工パッケージ以外の積算方法も記載がされています。
なぜ施工パッケージという積算方式が生まれたのかと言いますと,受発注者ともに積算労力の軽減等を目的としています。
工種・積算条件(対象物の仕様・施工方法・施工数量(規模))などを選択すると自動的に施工機械・労務人員・材料などが決定されるようになっています。
施工パッケージで積算をしてみる
例えば土工事で積算をしてみましょう!
【土質から1つ選択】
・土砂
・岩塊,玉石
・軟岩
・硬岩
【施工方法から1つ選択】
・オープンカット
・片切掘削
・水中掘削
・現場制約あり
・上記以外(小規模)
【オープンカットの場合以下より1つ選択】
・押土有
・押土無
【障害の有無】
・障害有
・障害無
【施工数量】
・条件より1つ選択
から順に選択をすると自動的に代価表が作成されます。
土砂→オープンカット→押土無→障害無→施工数量5,0003以上10,000m3未満
を選択すると以下のようになります。
いやいや,1m3あたりがわけわからないよ!って思うかと思いますが,
施工パッケージでは積上詳細を見ると中味がわかります(GAIA積算の場合)
簡単にいいますと1m3あたり
・0.8m3積バックホウ(超低騒音型(排ガス3次基準値))が1台
・運転手(特殊)
・軽油
のコラボで,1m3あたり263.9円で施工ができるってことになります。
施工パッケージはこの機械を使いなさい!
という意味ではなくこの条件であればこの機械を使ってこの単価で行うのが標準ですよって意味なので,強制ではありません。
現場状況によってはもっと大きな機械を用いて一気に終わらせた方が早いこともありますが,これはあくまで積算なので,そういった事象もしょっちゅう発生します。
積算ソフト
先述したGAIAとは積算ソフトの1つで、その他にもたくさんの種類があります。
積算ソフトはこういった施工パッケージや国交省の積算基準を選択式で積上げていくことで積算ができますので非常に簡単です。
単価・工種・仕様の選択を誤らなければ基本的には同じ値がでてきますので
官民での積算違いが起こりにくいと思います。
非常に便利ですが高額なので、個人で持つには大変かと思います。
もちろん積算ソフトがなくても積算自体はできます。
国交省の赤本と言われるものを見たことがある方もおられるでしょうか?
こちらが積算ソフトの基準になるもので、新しい年度のものが発刊されたら積算ソフトも新年度の積算基準が使えるようになります。非常に便利です。
施工パッケージ・積算ソフトの留意点
施工パッケージや積算ソフトでは、施工条件の設定が難しい・悩む時があります。
例えば先述した土工事の場合で
【施工方法】のうち
・現場制約あり
・上記以外(小規模)
ってパッと見、わからないですよね?
赤本には
現場制約ありは現場が狭小のため機械搬入が不可な場合
小規模は1箇所あたりの施工土量が100m3以下、または100m3以上で現場が狭隘な場合とする。
と記載されています。
現場制約ありと聞くと、例えば、周辺に民家があって制約があるのかな?とか、
入場時間が定められている…とか、
障害物があって制約がある…なんてことを想像される方もおられるでしょうし、
小規模の規模を知らなければ1000m3でも小規模と考える方もおられるかもしれません。
このように施工パッケージや積算ソフトでは読み取りにくい条件があるので
やはり基準となる赤本を見ながら、あるいは理解しながら積算しなければなりません。
施工パッケージは非常に簡単で、便利なものですが、
誤り・損することがないように留意する必要があります。
積算についてわからないこと・質問があればどんどんお気軽にMAINSFACTORYに質問してくださいね!
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ご安全に!!!
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