前回は環境問題ってどんなものがあるのか?についてお伝えいたしました。
今回は,環境問題を起こすとどういうことになるのか?についてお伝えします。
環境に関する法律違反が起こった場合の罰とは?
数々の違反がありますが例として以下のようなものがあります。
◆産業廃棄物の不法投棄
5年以下の懲役または1千万円以下の罰金(法人においては3億円以下の罰金)
若しくはその両方に処せられる。
◆水質汚濁防止法違反
6か月以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処せられる。
◆騒音規制法
1年以下の懲役、または10万円以下の罰金に処せられる。
◆土壌汚染対策法
1 年以下の懲役または 100 万円以下の罰金に処せられる。
このように数々の処罰が下されることがあります。
刑罰と行政罰
先述した懲役と罰金はいわゆる刑罰というものです。
それに対して『指名停止措置』『業務改善命令』などは
行政罰と言われるもので,国や自治体,
あるいはあらゆる発注者等がそれらを下します。
刑罰を見て
犯した罪に対して,罰が意外に軽いと思われた方はいませんでしょうか?
故意で悪質なものであっても懲罰はその程度なのです。
それに対して行政罰は,
今後の会社運営に関わるような罰を下されることもあります。
ですから刑罰だけを見てまさかこれなら懲役・罰金を支払う方が
儲かるのでは?なんて考える人はいないはずです。
罰以外にも…
さらに,こういった環境問題が発生するとほぼ間違いなく大々的に報道され,
会社名や容疑者の名前が挙げられます。
そのような事態が発生すれば間違いなく会社としての存続は難しいでしょう。
さらに,罰金としてだけではなく,
例えば土壌汚染を発生させるようなゴミの不法投棄があった場合,
ゴミの処分費はもちろんのこと土砂の改質・改良をする必要が生まれ
多大なる費用が必要になります。
まず,一会社・一個人で対応しきれないような問題になります。
環境問題はこのように一度発生させると,
世間・会社すべてにおいて非常に大きな問題となるのです。
問題が起こる要因
先述した通り,環境問題は発生すると
刑事罰・行政罰のみならず会社イメージが大幅にダウンしたり,
損害の賠償が必要になったりと想像以上の大問題になります。
そのような大問題,なぜ発生するのか要因を分析してみましょう
・故意の場合
故意,つまり,わざと・敢えて行う場合ですが,
先述した通り,大問題になりかねないのになぜそのようなことをするのか?
環境問題は多くの場合,対策に費用がかかります。
産廃であれば適正処分するのにお金が必要ですし,
濁水処理であれば装置や薬剤にお金がかかります。
それらをせずに捨てることができれば,お金はかからないわけですから,
その場のお金のやり取りとしては費用が発生しないにも関わらず,
処分会社であれば処理費をもらえるわけで儲かるわけです。
そしてその問題が発覚しなければ「ラッキー」と思っているかもしれませんし,
発覚しても刑事罰を受け,会社が潰れても構わない,
支払う能力がなければ自己破産すればよいくらいに考えている人もいるかもしれません。
そういった問題が発生しないように,
産廃の処理についてはマニュフェストのルールや,
産廃を発生させた元請け事業者が最終処理まで確認するルールなどが生まれました。
しかし未だにこういった問題が発生し続けているのは,
その抜け道をなんとかして抜けている悪質な業者がいるからなんでしょうね。
・故意ではない場合
これが非常にやっかいで,自分は悪くないと思っていたが環境問題を起こしてしまう場合です。
さらに『不用意な場合』と『無知な場合』があると思います。
『不用意な場合』とは,
例えば水質管理をしないといけないのに,
ずっと問題なかったから今日もそれらの確認をしなかったが,
急に薬剤が無くなっていて処理がなされず,
基準値以上の水質で排水が行われていた。
なんてことです。
また『無知な場合』とは,
そもそもこんなことしたらいけないなんて知らなかった。
という場合です。
例えば,土砂を場外搬出する際に土壌調査が必要なのに
それをせずに搬出してしまい後に汚染土壌であったことが発覚する。
とか,コンクリートミキサー車の洗い水を排水側溝に流した。。
なんてこともあるかもしれません。
これらの故意ではない場合というのが,非常に対策が難しいのです。
知らないでは済まされない環境
悪意が無い場合には対策しづらいというのが環境問題の難しところです。
しかしそうはいっても起こしていけないものであることには違いありません。
環境に対する知識も経験が増えればこういう時は
OKorNGの判断はすぐつきますが
まだ経験が浅い場合にはそれらの判断ができないことも多いでしょう。
ここで言いたい大事なことは
環境事故を起こしてしまうと非常に大きな問題となり得るものである。
だから
こういった単純なことが大きな問題発生の予防になります。
日常をそういう目線で捉え,知らなかったから・・・と言わないで済むようにしましょう。
そして少しずつ知識を得ていきその精度を高めていきましょう。
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