施工管理がどういった仕事なのかについては前章までにご説明しました。
まだお読みになられていない方はぜひ読んでみてくださいね
施工管理がなぜ必要なのか?
施工管理は主にゼネコンに努めていて現場監督と言われる方の仕事を総称して言います。
間違ってはいませんが、お伝えした通り、
発注者から委託され施工管理を補佐する役目を担う仕事もあったりますし、
あるいは下請・協力会社といわれる総合建設業ではない会社に所属する方も、
ゼネコンから依頼され工種に特化した形で施工管理を行うこともあります。
施工管理といっても様々ということです。
しかしその施工管理、なぜ必要なのでしょうか?
本来、工事というものはお金を支払う『発注者』と
モノを作る『施工会社』という2者がいればなんとなく成り立つ気がしませんか?
しかし建設業がその2者で成り立たないのは
施工には高いレベルでの『専門知識が必要』だということ
また『業務を効率化』する必要があるということから言えます。
専門知識が必要
まず『専門知識が必要』ということについてです。
今回は施工管理について述べていますが
あまり触れてきませんでしたが施工とともに設計にも
専門知識が必要になってきます。
発注者と言われるお金を支払う人たちは主に、
国・県・市などの役所に勤めている人
鉄道や高速道路を保有するインフラ系の会社
またデベロッパーなど様々おられます。
それらの方々はモノを運用することにより
利益を得ている方々で、
業務の内容としてはモノがお金になる仕組みを考えたり、
モノの維持管理を行い運用することを考えたりします。
つまりモノづくりというものをゼネコンに施工管理を、
コンサルタントに設計を依頼しています。
そのモノづくりという仕事はこれまでの自然災害や多大なる実験の成果などにより
膨大な知識・技術量が必要なものになっており、簡単な仕事ではないからなのです。
ではその膨大な知識・技術量がなければ
どんなことが起こってしまうのか?について数例紹介します。
施工管理がいないとどうなる?
①モノを作っている途中にモノが壊れる
例えばモノを作るために穴を掘っているとします。
その穴は10m掘るのですがなるべく安く済ませるために、
一気にバックホウで掘りました。
その中にモノを作るために鉄筋・型枠・コンクリートを打設します。
鉄筋を組んでいたらある日大雨が降り、掘っていた穴が崩れました。
その結果、数人が埋まってしまいました。
こんなことが起こらないように施工管理を担う人は
周囲に土留めというものが必要であることを知っており、
どんな土留めを設置すべきかを計画できます。
その設置した土留めに異変が起こっていれば、
点検をしているので気づくことができるのです。
②モノを作っていると思っていたが全然違う場所にモノを作っていた
ここにモノを作るぞ!と最初に穴を掘った人がいます。
その後、型枠を組まないとと思い型枠を組みました。
その後「鉄筋を組まないと」と思い型枠の中に鉄筋を組みました。
組まれた鉄筋・型枠の中にコンクリートを打設しました。
そうすると隣の土地を持っている人に言われました。
「おい!私の土地に何を作っているんだ」
こんなことが起こらないように施工管理を担う人は
設計図面や資料に基づいて正確な位置に正確なものを作るための
計画・管理をしています。
好きなところに何も考えず作っているのではなく、
様々な要因・条件をもとに正確なものを作っています。
③モノを作っていたら自分より後で仕事するはずの人が先に仕事を終えていた。
結果として自分たちは仕事ができずに大喧嘩になった。
誰しもがやりやすい環境で仕事をしたいはずです。
何せやることは決まっているので邪魔なものがないうちに仕事をしたいです。
あるいは、ほかの仕事が明日から始まるので
今日中にモノを作り終えなければなりません。
だから本当は後で仕事するべき人が、
もうすでに仕事を終えてしまっているのでした。
こんなことが起こらないように施工管理を担う人は、
だれがいつどこでどんな時に仕事をするのか、
またその人たちがなるべくしやすい環境を創り出し、
儲けが出る工夫をしながら工事を進めるのです。
施工管理の人がいなければ毎日が喧嘩の日々になることでしょう。
これらはあくまで例ですがこのような仕事を行っているのです。
ちなみに先述した
①は安全【S】
②は品質【Q】
③は工程【D】
を表しています。
いろんな意味でQCDSEを管理しながら業務を進めるのが施工管理の仕事で、
その人たちがいないとそれらが満足できないのです。
業務の効率化
次に業務の効率化についてです。
これはどちらかというと社会全体の話です。
何でもできる人がいればそれは一番いいことです。
しかし何かに特化した能力を持つ人に
能力で勝つほど「すべての知識が秀でている」という人は
本当に稀だと思います。
ですから業務はできる限り分担し
得意なことを分業して行うというのが
業務の効率化であり生産性の向上につながります。
低いレベルで情報を網羅している人たちしかいなければ、
海外の人たちの技術が導入されれば
それらの人たちは一たまりもなく、仕事を失うでしょう。
ですからそれぞれの持つ最大限の能力を発揮するため
分業し業務を効率化しており、
それが発注者・ゼネコン・コンサルタント・施工会社として活躍しているのです。
以上が、施工管理が必要な理由です。
いないとどうなるか・・・
施工管理が必要な理由はどちらかというと
『施工管理がいないとどうなるか』を想像したほうが、
イメージを持ちやすいと思います。
高い技術力を有した潤滑油的な役割でしょうか?
若いころは特に現場で職人さんたちと協力しながらモノを作ることから
『潤滑油』のイメージを持つ人は多いと思います。
将来的に蓄積した力を現場運営全体(QCDSE)に活かすようになれるのです。
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