今回はゼネコンマンとして工程を検討するにあたり十分に意識しておかないといけないことを『日々の作業に没頭した末路』として紹介いたします。
現場で頑張る人の気持ち
現場で毎日作業をしていると,どうしても自分の作業しか目に行かず周りが見えなくなります。
当然それは担当しているゼネコン社員も同じです。
打合せの席においても
職長「ここは,こうしないとできないんや」
担当「わかります!そうですよね」
職長「ウチがここをやってる間は他の会社が来てもらったら困るんや」
担当「そりゃそうですよね!調整します」
職長「あと悪いんやけど,2~3日他の現場が忙しくて現場空けるわ」
担当「そうだんですか!それは…わかりました」
なんて議論をしていて,先を考えずに目の前のことを一生懸命してしまうことってあると思います。
日工程の積み重ねと全体工程のギャップ
全体工程は前章でお伝えした通り,理想的な形・流れで仕事することを想定しており,
さらにはこのような機械を使って,こんな特殊な工法で…
とあらゆる手段で工程を短くしていることが多いと思います。
つまり全体工程から遅れていくことはあっても,普通にやっていると短縮できる要素って少ないのです。
そのような環境下で先述したような日々の仕事をやり易い方,
やり易い方に進めていくと全体工程とのギャップは広がるばかりです。
施工管理職の本領発揮
施工管理の仕事はQCDSEを満遍なく進めることである。と何度も言いましたが,
工程管理はひとたび力を抜くと一気に堕落するものです。
やりにくい中でも工夫・調整していかに最大効率の中で仕事ができるようにすることが
施工管理職の仕事ですから
工程遅延は,その現場・担当の力不足を如実に表していることになります。
協力会社・職長は自らの会社が儲かるように
なるべく作業のしやすい環境で仕事ができるようにお願いしてくるでしょう。当然です。
その中で担当として,『作業効率を下げずに』同時並行的に,
最大効率で作業ができる環境を調整し,
ゼネコンだけではなく協力会社も儲かる状態にしなくてはなりません。
日々の作業に没頭した末路
日々の作業に没頭し,『できないから』『難しいから』等という言い訳のもと
工程が伸びていっても,全体工程は変わりません。
なぜなら全体工程はお客さんの求める開業日や開通日であり,
対外的にも公表されていたりするためです。
おおよそ想像がつくと思いますが,工程が遅れ遅れになり,
開業日が近づけば,いわゆる『突貫作業』という状態になります。
突貫作業は,もはや昼夜・休日関係なく仕事を行い,
法律に触れるような労働環境で仕事をさせ,
効率なんて言っていられないような状態を指します。
このような環境下での作業はきっと防げるはずです。
(防ぐことができなければ施工管理の仕事の意味がない!)
突貫作業は往々にして工事の最後の方で発生します。
当然ですよね。最初の方のんびりしてしまった代償であることが多いためです。
つまり建築で言うと内装屋さんだったり,土木で言うと外構屋さんだったり,
仕上げ作業を生業にされている方が経験することが多いと思います。
先を見ずに日々の作業に没頭し,全体工程から大きく遅延することがないよう,
常に全体工程の調整・遅延の回復を検討し突貫工事を防ぎましょう。
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