2章では法律や作業の効率を踏まえて様々な角度から安全について考えてきました。
作業に従事する方々の命を守ることは我々の使命ですから、
作業方法や安全設備を整え、適正な作業状況を創出し、
安全に作業してもらえるような環境を創り出す必要があります。
しかし今回は、もっともっと気を付けるべきことについて書きます。
題名からしてお分かりだと思いますが第三者の存在を忘れてはいけません。
第三者って誰のこと?
建設現場において第三者とはどのような人たちを指すのでしょうか?
それは、現場の近くにお住まいの方、現場の近くを通る通行者、
また現場に来る車の近くを通る運転手、様々な第三者が現場に対しての第三者になります。
第三者災害ってどのようなことがある?
第三者災害といえば、たまにニュース等で耳にする
・足場が倒壊して近くを通行していた人が巻き込まれる
・クレーンが倒れて同じく近くを通行していた人が巻き込まれる
・工事用ゲートから出ようとした車が近くを通行していた人と当たる
このような現象が良く考えられます。
こういった接触災害だけではなく
・現場の中で泥水が飛び跳ねてしまい、仮囲いを飛び越えて人に当たってしまう
・現場の砕石から砂埃が発生し、近くを通っていた人の目に入り痛めてしまう
こういったことも考えられます。
第三者災害の問題点
第三者災害の特徴を考えますと
ほとんどの場合で被害者に過失がないということが挙げられます。
つまりどれだけ気をつけていても防ぎようがない災害であるということです。
労働者が災害を起こす場合には自身の過失が、ある一定存在することが多いですが、第三者は現場に不慣れであり、そのようなリスクが潜んでいることを知らずに行動しているため、防ぐことが非常に困難です。
そのような環境下で怪我や死亡させてしまうことは、絶対にあってはなりません。
大きな災害のみならず、第三者の災害は
仮囲いについていた番線が通行していた人の服をひっかけてしまい破れる
泥水が仮囲いを飛び越えて通行していた人の服にかかってしまう など
作業上ではよくあることも災害の一つになってしまいます。
第三者災害の対策
第三者災害を防ぐために
まずは境界部に存在する設備(仮囲い等)の徹底した点検
仮囲い近くの飛散要素を無くす
泥水の流出などがないように養生設備を整える
などの対策が有効です。
・想像を超えるような豪雨が発生しても場内は飛散な状態であっても場外に対しては絶対に影響を出さない
・想像を超えるような暴風が発生しても仮囲いは内側に倒れることはあっても外側に倒れるようにしない
など、まずは第三者への影響を絶対的に減らす努力が必要です。
まとめ
第三者災害は私たちが発生させてしまう災害の中でも絶対に発生させてはいけないものの一つです。
ほんの小さな気の緩みが一般の方を怪我させたりさせてしまう可能性があるのです。
もしかしたら周辺の方々の信頼を失ってしまい、
円滑な現場運営ができなくなるかもしれません。
施工ができなくなる可能性すらあります。
工事を行う上での安全は非常に大事で、
作業従事者の方たちの命を守るのは我々の使命ですが、
加えて第三者の方にはほんの小さな怪我や迷惑もかけないようにする努力が必要です。
それが我々の仕事の最低限の使命です。
コメント