Mainsのアウトソーシングはこちら まずは相談(無料)

2-4.厳しい安全ルールの弊害

これまで2章の安全管理では、法律や会社・現場の独自ルールなどにより
事故・災害を防ぐための対策を講じましょう!という話をしてきました。

それでは事故を起こさない様にするためには徹底的に厳しいルールと設備があればいいのか?というと

当然そうではないのです。

ルールのイメージ

ルールとは一般的に

『〇〇をしてはいけない』という否定か

『□□をしなければならない』という強制か

のいずれかに分類されることが多いです。

少し話が発展しますが、あなたはルールと聞いてどんなイメージが湧きますか?

私は『校則』や『道路交通規則』など破ると罰則のある嫌なイメージが湧いてきます。

おそらくルールと聞いて『いいね』『楽だ』と思う人はほとんどいないのではないでしょうか?

つまりルールと言われると誰しもがいや~な気持ちになるのです。
ルールというのは嫌なイメージがあり、締め付けられる感覚があります。
厳しすぎるルールは精神的に追い込まれる!ということが何となくわかります。

具体的なルール

ルールとは具体的にどんなものでしょうか?少しイメージしてみてください

・高所では安全帯を使用する
・人が近くにいる時には重機を停める
・粉じんが舞う時には保護メガネ、マスクを装着する

これくらいは序の口ですね。

・落ちないように全ての高所に手摺を取り付ける
・重機の近くに寄れないようにカラーコーンで立入禁止する
・粉じんが舞う時には保護メガネ、防塵マスクを装着する

少し厳しいルールになりましたが、まだ一般的と言えるでしょう。

・高所から落ちないようにコンクリートで壁を作る
・重機の近くに寄れないように万能塀で立入禁止する
・粉じんが舞う時には防護服とガスマスクを装着する

こうなってくると『作業ができない』状態になってきます。

要は安全のために 作業がしづらい or 作業できない状態になります。

これらは非常に極端な例でしたが、実際に現場ではそれらが発生しうるのです。

作業性と安全性の関係

『作業性を悪くしてまでも行うべき安全』と

『安全性を高めるがゆえに、新たな危険が生まれる安全』があるのです。

先ほどの例は後者に近いものがあります。

・高所から落ちない様にコンクリートで壁を作った場合作業場に行くのに、
 コンクリートをよじ登る必要があるかもしれません

・重機の近くに寄れないように万能塀で立入禁止すると
 重機が万能塀にあたり、外にいた人が万能塀に巻き込まれるかもしれません。
 もしくは万能塀を設置すること自体で災害が発生するかもしれません。

・粉じんが発生するから防護服を着ていると
 暑くて熱中症になるかもしれません。
 もしくは動作性が悪く、小さな段差にこけてしまうかもしれません。

このように新たな危険が生まれる安全ルールになってしまう可能性があるのです。

ルールは厳しければよいわけではない

なぜそんなルールが考え出されるのか?

冷静に見ればおかしなルールですが、結構現場で起こっていることだと思います。

例えば、会社やあまり現場にこない上司から〇〇の作業をするなら★★をするように。と

つまり『〇〇作業=★★対策』と現場状況に関わらず対策を指示したとします。

でも実際の現場には全くそぐわないかもしれません。
それでも上司の指示であればやらないといけないのでしょうか?

どうすればそのようなミスマッチを減らせるのか?

やはり建設業の鉄則であります
三現主義(現場・現物・現地)で物事を考えるということ。
これが非常に大事です。

どのような安全対策をすれば作業性が良く、かつ確実な安全対策になるのか
これは作業の状態をイメージするのが最も有効です。
安全は『作業=対策』になることはありえません。

さらに有効なのは
実際に作業をする人たちが求める安全設備を相談するということです。

しかし勘違いしてはいけないのが
作業する人たちの言う通りにするのではないということです

作業する人は自分たちの作業性を強く求めることもあると思いますので
安全設備やルールが希薄になってしまう可能性もあります。

元請け・ゼネコンとしては作業性を確保しながらも他社の安全性を確保し
作業する方、自身の安全性も確保する必要があります。

ですからどの程度の安全対策が最もそのバランスを確保できているのかを
お互い納得の上で決めることが重要です。
そうすることで厳しいルールによる弊害というのは圧倒的に減るでしょう。

ちょうどいいポイントの安全レベルを見出すのがあなたの仕事

これからやるべきこと

近年、さらに建設業の労働災害の多さというものにスポットライトがあたり
災害を起こしてはいけないという心が強く働くようになりました。
これは本当にいいことであります。

しかし過剰な設備や対策、ルールは作業性を落とし、
結果として不安全な状況を作ることにもつながりかねないのです。

やはり作業をする人が安心して、集中して作業できる設備・環境が一番です。
それをしっかりイメージするとともに、自分たちの考えを明確に持ち、

最低やらなければならないこと 
 と 
作業性の最適解を見つけ出して欲しいと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

MAINSFACTORYは建設業の働き方を変えるために生まれました。
●皆様の仕事を少しでも楽にできるようにアウトソーシングをお受けし
●知識を蓄えていただけるために施工管理の教科書を作成し
●自己研鑽のために資格取得の教科書を作成しています。
お申込み・ご相談をお待ちしております。
tel:070-8969-1049
mailto:info@mainsfactory.com

MAINSFACTRYの人材情報
【保有資格】
・技術士(建設部門
・コンクリート主任技士
・1級土木施工管理技士 他
【得意な業務 】
・施工計画、検討業務
・現場計画
・書類作成全般
・技術会話
・施工管理業務全般

コメント

コメントする

目次