安全管理は施工管理のQCDSEの中でも最も重要『安全第一』とよく言われています。
QCDSEがわからない人は『1-1. ゼネコンの施工管理』を見てみてください。
厳しすぎる安全は逆に作業性を悪くし、安全ではなくなるかもしれないという話をしました。
そういったことはさすがに稀かもしれませんが、
現場に則していない安全は何も意味がありませんし、
マイナスにもなり得るので注意が必要です。
本章では安全とその他の関係性についてご説明します。
トレードオフとは
トレードオフとは、何かを得ると、別の何かを失う、相容れない関係のことである。
平たく言うと一得一失である。対義語は両立性。
トレードオフのある状況では具体的な選択肢の長所と短所を
すべて考慮した上で決定を行うことが求められる。(Wikipediaより)
と記されおります。
トレードオフという言葉は技術士の総合技術管理部門で特に使用されますが、
全体最適を図る上では必ずと言っていいほど、ぶち当たる壁なのです。
そしてQCDESEをバランス良く行うことが
必要となる施工管理業務ではトレードオフの関係を強く意識することが多々あります。
安全管理とトレードオフの関係にあるものにはどういったものがあるのか整理してみましょう。
トレードオフ『コスト』
安全管理は
「誰かの手で設備を設ける」
「何度も点検を行う必要がある」
「壊れる前にモノを替える」
等の行為であるのでそこには費用が発生します。
つまり安全管理を強く行うと『コスト』がかかります。
トレードオフ『工期』
安全管理は
「設備を設けるためには時間が必要」
「作業場所が重複していたら調整するよりも日程を分ける方が安全である」
「急いで仕事するよりもゆっくり丁寧に仕事する方が安全である」
というように安全を遂行するには時間が必要であります。
つまり安全管理を強く行うと『工期』が遅れます(時間がかかります)
こういったように安全は他の要因とトレードオフの関係にあります。
当然トレードオフの対象を優先すれば、安全が疎かになるという関係性でもあります。
最適なQCDSEは?
どちらかを優先しすぎるわけにはいかない
トレードオフの関係性にあるものについて
どのように管理すればよいのでしょうか?
ここで重要になってくるのが
安全には『法律』や『独自のルール』があるということです。
(前章に詳しく書いてますのでぜひご覧ください!)
要は、最低限を定めることで、それ以下を防止し、
逆に言いますとそれ以上はあくまで+αであるという考えです。
つまり余裕があればやればいい。とも言い換えれます。
安全は突き詰めれば、もはや
『仕事しない。』が一番安全
ですがそういうわけにはいきませんから
ちょうど良い頃合いを図る必要があります。
だからこそ、最低限を守ることで
他のトレードオフの関係にあるものを成り立たせているということです。
それでも安全第一
よって、まずは安全については
法律・独自のルールで最低限をクリアした上で、
費用・工程等を満足しながら施工することが重要になってきます。
そうした上でも何らかのアクシデントはどうしても起こってしまいます。
その時に優先すべきはやはり『安全第一』
最も安全にできて作業性の良い方法は何なんだろうか?のバランスを
成り立たせることが重要です。
決して「この時は⇒こうする」というルールが定めにくいのも事実です。
しかし一本の筋を通し、守るべきものを守ると意識していればトレードオフは解決できるのです。
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